今回コロナウイルスのためにオンラインで開催となった「Edvation x Summit 2020」という日本国内の教育関係の方々が集まる教育イベントにドイツからオンラインで参加しました。
その中で今をときめく小学生起業家(なんと11歳でエストニアに起業を作った子)やYoutuberの子ども達、または現役の校長先生や学校の先生
はたまた文科省の方やGoogle for Educationやら本当に色んな教育関係の方々のお話を聞くことができました。
その中でも印象に残ったいくつかを記事にしようかなと思います。
今回ご紹介するのはサッカー選手で現在はブラジルのボタフォゴに所属している本田圭佑さんが作った学校「Now Do」という学校に関して。
今回は本田圭佑さん自身の言葉でその学校をなぜ作ったのか? 具体的にどういった活動をしているのか?を説明されていました。
NowDoとは?
NowDoは2020年7月にできた「月額1ドルで好きなだけ遊べる中高生のためのオンラインスクール」です。
(これを書いているのが2020年11月なので、まだ出来たてほやほや)
N高等学校をはじめ最近はオンラインでの通信学校が増えてきていますが、NowDoは現段階はまだオンラインで参加できる塾のようなものかな?
1日1本(だいたい13:00頃が多い)ライブで超豪華な講師の方々のお話を聞くことができ
さらに同じような興味のある同世代の中高校生達とコミュニティ内で会話することもできます。
講義の内容はビジネスに関することはもちろん、プログラミングやAIのようなテック系もあれば
食育や性教育などジャンルは様々。
正直大人も参加したくなります。
(一応大人も月額$1ではないですが、有料で視聴することはできるみたいです。)
そして、さすがはプロのサッカー選手!スポーツ関係の講義の場合は
サッカー選手の長友佑都さんや、ゴルファーの石川遼さんなど「そんな人の話をライブで聴けるの!?」っていう方々がたくさん・・・
学びのステップとしては
- やりたいことをみつける
- やってみる
- 楽しくて好きになる(好きにならない場合は1に戻る)
- とことん突き詰める
- 夢になる(夢にならない場合は1に戻る)
- 夢が叶うまで突き詰める
ということのようで、まだサービス開始したばかりの現在は1のやりたいことを見つける段階のようですが
今後はどんどんサービスも拡充予定のようです。
今回わたしが参加したEdvation x Summit 2020ではNow Do株式会社のCOO 鈴木良介さん、そして試合のため残念ながらライブ出演はできなかった本田選手のビデオ映像で「どうしてNowDoを作ったのか?」また「どんな気持ちでこのNowDoを作っているのか?」等々聞くことができました。
作ったきっかけ
2010年に南アフリカのワールドカップに出場。その際に現地の孤児院を訪問しました。
そこにいる子ども達に関して
「この子達は将来どういう生活をし、どういう風に育っていくのか?」という質問をした時に
「多くは犯罪者になるかエイズになるか」という話を聞いたそう。
そこで衝撃を受けた本田さんは、サッカー選手という立場でも貧しさが理由で夢を追えない子ども達のために何かできることがあるのではないか!?
と思い、まずはベンチャー企業に投資、さらには自分で教育関係で起業することを決意したのだそう。
COOの鈴木さんはまた別の視点から、日本にいる子どもであっても学校にいるだけでは人生の選択肢は狭い。
鈴木さん自身、小さい頃からプロになるためにずっとサッカーに打ち込んできたけど
いざ怪我でサッカーを諦めることになった際にサッカー以外の選択肢を知らなかったんだそう。
だからこそNowDoのように中高生の間に色んなプロフェッショナルの話を聞くことで人生の選択肢を広げる場にしたいとのことでした。
お二人ともきっかけは違えど、目指している部分は同じ。
「だれもが夢を追える世界へ」をミッションに世界中の子ども達が平等に教育を受けることができる世の中を目指しているそうです。
わたし自身、フィリピンに住んでいる時に何度も孤児院に訪れたこともありますし、路上で生活している人、家族で墓場で生活し、そこから学校に通う子ども達に会ってきました。
その時にいつも思うのが
「日本人に生まれたってことは既に宝くじに当たっているようなものなんだな」
だからこそ、自分がこの目の前にいる子ども達に何かできることはないかなと考えることも多かったです。
しかしその一方で
「この国(フィリピン)で生まれたわけでもない私が何とかしてあげたいなんて、それこそおこがましい、上から目線なんじゃないか」
って思う相反する2つの気持ちがぐるぐると巡り巡って、最終的には無力な自分にうんざりしつつ何も行動に移すことができませんでした。
こうやってプロでサッカー選手をしている一方で世界の教育格差を縮める本田選手や鈴木さんの話を聞いて
悩むくらいなら何か少しでも行動しよう。って思いながらこの記事を書いています。
月額$1という金額設定に関して
このNowDoでは月額$1というのが結構キーになっていて
Edvation x Summit 2020の講演の中でも「ギリギリ払える金額を払って教育を受ける」、「子ども達の中でも、お金を払って最先端の教育を受けられるという感覚を持ってほしい」と仰っていました。
ただ今はまだ悩んでいるそうで、今後無償での提供も考えているそう。
わたしも$1でも有料であるべきだと思います。
無料と$1の差って実はすっごく大きくて、一日$2で生活をしている人からしたら$1って大きな金額なんですが
金額がどうこうってより「プロフェッショナルに敬意を払う」という意味で無償にすべきではないのかなって。
お金を払うことで、受ける生徒側も「無駄にはしてはいけない」という意識が芽生えるし
そこに対する向き合い方も変わると思うんです。
無料だと「どうせ無料だし今日はサボっちゃえ〜」って気持ちになりがちなのでそこは有料であるべきかなと思います。
最近流行っているサステナブルという言葉。持続可能性のあるサービスにするためには少しでもお金を払うことが必要かなと考えているので
$1っていう金額はすごいバランスですよね。
まとめ
ということで今回本田圭佑さんがはじめた新しい学校「NowDo」をご紹介しました。
世の中の経済格差が原因で起こっている教育格差を本気で解決したいと熱い気持ちで取り組んでいるサービスです。
まだまだ始まったばかりのサービスなので、今後が楽しみですね。
わたしの周りの小中学生や高校生の友達にもどんどん紹介しようかなって思います。
NowDoをもっと知りたいという方はこちらの公式HPから。
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