学校教育の本質を問うDon’t Stay in Schoolを考えてみる※日本語訳あり

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ユキグチ
ユキグチ
現在ドイツでそろばんの先生をしているユキグチです!今回は人気のYoutube動画Don’t Stay in Schoolに関して教育者という立場から考えてみようと思います。

みなさんこちらの動画をご存知でしょうか?
イギリス人でBoyinabandというラッパー兼教育系Youtuberが2015年に出した「Don’t Stay in School(学校に留まるな・学校をサボれ)」というなかなかインパクトのあるラップが現代の教育システムのあり方に対して問題提起をしています。

この動画は、色々な人の心を打ち一気にシェアされました。
そしてこの動画を元に学生、子供を持つ親、さらには学校の先生にも広がり物議を醸しています。


※字幕設定で日本語設定もできます。

今回はこのムーブメントに関してご紹介します!

Don’t Stay in Schoolって?動画の内容や要点をご紹介

全部動画見るのはしんどい!って方のために、一部抜粋してご紹介します。
とは言え、たったの数分のラップですし日本語字幕もつくのでぜひ見て頂けると良いかなと思います!

I wasn’t taught how to pay tax
(税金の払い方なんて習っていない)
but I know loads about Shakespeare’s classics!
(でもシェイクスピアの古典文学はよく知っている!)

Didn’t learn how much it cost to raise a kid or what an affidavit is.
(子供の養育費がいくらかかるのか、陳述書が何なのかは習っていない)
but I spent days on what the quadratic equation is.
(だけど2次方程式には何日も学んだよ)

All this advice about using a condom
(コンドーム使えってよくアドバイスするけど)
but none for when you actually have a kid when you want one
(でも実際に子どもがほしくて出来たときのアドバイスは全くなし)

But I won’t take it.(でももう耐えられない)
I’ll tell everyone my childhood was wasted(みんなに子どもの頃は無駄だったと伝えるよ)
And insist these pointless things , don’t stay in school
(みんなでこの無駄なことを主張しよう、学校に留まるな)

つまり何が言いたいのかと言うと、学校で習うことの多くは実際に社会で役にたたないことばかり。
実際に社会に出てから必要なお金のことや、人権のことは教えてもらえてない学校にいる意味ってあるの?

という大きなメッセージを伝えています。

心当たりのある方は多いのではないでしょうか?
また学校教員の方は耳が痛い話かもしれませんが・・・

試験官
試験官
どうせ学校にも行っていない学校に恨みがある人が作ったんじゃないの?
って思うかもしれませんが、Dave(この動画の作者)はイギリスのGCSE(日本のセンター試験のようなもの)で数学,物理,コンピューティングでトップの成績、さらに大学の学位も取っているそうです。
そんな人だからこそ、学校での教育に疑問があったのかもしれませんね。

わたしは初めてこの動画を見たときは「まさに、自分が思っていたことだ・・・」と思ってしまいました。
さらにこの動画は2015年にリリースされたので、既に6年経っていますがだからといって内容が古いということは一切ないように感じます。

さらに動画の最後にはこんなメッセージも残されています。

もしその教科が「なぜ人生の役に立つのか?」を説明できないなら、必須科目にするべきではない。もしもっと学びたいと感じる人のための選択肢として存在するべきだし、実用的でない教科は強制して学ばせるべきではない。

Don’t Stay in School公開後のインパクト

なんと2021年1月現在で20万件以上のコメントが寄せられており
共感の声はもちろんのこと、批判の声も上がっています。
これだけみんなの関心が高いということなんでしょうね。

この動画とは別の動画でいくつか寄せられたコメントの紹介、さらにそれに対してコメントをしています。
こちらは残念ながら日本語字幕がないので、私の方でざっくりといくつかご紹介します。

なぜあなたはそんなに攻撃的なの?わたしも悪い教育を受けてきたけど、読み書きや簡単な作業はできるよ。まずは落ち着いて、真剣に考えすぎない方がいいよ。

これはただストレス発散や学校への恨みのためのラップではなく、社会に問題提起するためかなと思うんですが・・・
なかなか残念なコメントもありました。

社会に出て役立つことを教えるのは、親の役目じゃない?

このコメントも多かったようです。しかしDaveいわく、ちゃんとした教育を受けてきた親もいれば、育児に興味のない親もいる。
さらには親を失くしてしまった子供も多くいるなかで、全てを親の役目とするにはあまりにも無責任ではないか、と動画で話していました。

例えば、代数や幾何学、高等数学を必須科目から外したら、だれもその教科を取らなくなっちゃうだろうね。その結果、全世代から科学者や技術者がいなくなるだろう。

これに対してDaveは、数字や科学に自然と興味を持つ子どもは多いだろう、学校が必須科目にし強制的に学ばせテストのために暗記させ・・・という教育を続けているから子ども達は興味を失ってしまうんだと。
やはり改めて構造的に改革が必要ですね。

これ以外にもたっくさんのアンチコメントはもちろん、多くの賛成のコメントがありました。
もし興味ある方はこちらの動画をご覧ください。
※全て英語です

Don’t Stay in Schoolの動画で実際に行動した学校もある

また別の動画で今回のDon’t Stay in Schoolの動画を見た視聴者のとある学校の生徒から直接連絡が来たそうで
このようなメッセージだったようです。

Don’t Stay in Schoolの動画が私達の学校を変えました。
生徒たちが自主的にFacebookやTwitterでシェアをし、さらには学校の先生達にメールをした生徒もいるほどです。
その結果、生徒主体で「わたし達は何を学びたいのか?学校はそれをどのようにサポートできるのか?」を話し合う集会も開くことになりました!

なんと1つの動画がきっかけに生徒主体で学校を変えようという動きまで出てきたそうです。

さらにこの生徒主体の集会がきっかけで「人間の基本的人権」に関して、もっと知りたいと考える生徒が増え
基本的人権に関するワークショップを先生と生徒一緒に何回か重ねるまでに及んだようです。

もちろん義務教育における必須科目が決まっている以上、全体的にカリキュラムを変更することはできないですが、
生徒が主体的に行動したこともすごいし、さらに先生達もしっかりと耳を傾け真摯に対応した結果ですね。

まとめ

今回は2015年に教育業界では少しバズった「Don’t Stay in School」をご紹介しました。

わたしもそろばんを教える立場として、改めて「なぜ学ぶ必要があるのか?」「どのように今後役に立つのか?」を説明できなければいけないと改めて感じました。
もちろんそろばんは必須科目ではないですが、子どものモチベーション維持にもとても重要なことだと思います。

社会が猛スピードで変化しているから今の時代だからこそ、少し立ち止まって常識を疑うことも重要ですし
生徒がいかに主体的に行動できるかを促すのが先生の役目かなと思いました。

みなさんはどう感じたでしょうか?
本記事へのコメントはもちろん、TwitterやFacebookで「#DontStayInSchool」をつけてシェアして頂き
みんなで議論しましょう!

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