こんにちは!
今回はドイツでいま流行りの(!?)絵本を作る学校、Buchkinder(ブッフキンダー)を訪問してきたのでご紹介します!
Buch Kinder とは?
ドイツはライプツィヒに2001年にはじまった、子ども達と一緒に絵本を作るワークショップを提供している学校です。
子どもが絵本を製本!?って思うかもしれませんが、
絵本のお客さんは子どもなのに、大人が作ったストーリーでいいの?
子ども独自の視点や考えで絵本を作った方が面白いのでは!?
という考えの元はじまったそうです。
よってここでは
ストーリーの作成から、挿絵のデザイン、そしてもちろん製本まですべてを子どもがします。
またBuchkinderでは大人(先生)は子どもと対等な立場で、子どものアイデアをカタチにするお手伝いをすることが大きなミッションとなっているそうです。
現在はドイツ国内で30の都市にあり、ドイツ国外にもベルギーやスイス、ケニアや南アフリカまで広まっています。
私たちが今回訪問したデュッセルドルフの教室はなんと公立の小学校の中にありました。
ここでは授業の一環として、ただし希望者のみが参加できるプログラムとなっているそうです。
実際どんな授業やってるの?
まずは教室に入ると生徒は10人前後に先生2人の少人数制。
わたしが訪問した際はテーマが決まっており、今回は「子供の権利(Kinderrechte)」。
まずは先生がテーマに合わせた参考資料を配ります。
テーマは少し難しいため、まずはみんなでプリントを読み授業内で話し合います。
子どもは健康的な食事が摂る権利がある。
という項目があると、
「どんな食事が健康的か?」
「野菜や果物があれば外食や冷凍食品でも良いのか?」
みんな各々の意見を発表したり、話し合います。
また偶然なのか?このクラスでは移民系の生徒が多く、おじいちゃんの世代からエジプトや中東からドイツに移民としてやってきた生徒も多いようで
子どもは遊ぶ権利や学ぶ権利がある
という項目では、「チュニジアでは10歳から子どもが働きはじめるよ。」
など、自分のバックグラウンドを活かして意見を紹介している生徒もいました。
そして話がまとまったら、今度は実際に本に入れる挿絵のデザインに入ります。
Buchkinderでは絵本の挿絵をただ絵を描くだけではなく、版画としてプリントしていきます。
版画なので、彫刻刀を教室内で使うので最初は 危なくないの? とヒヤヒヤしましたが
先生もしっかりと使いかたを説明し、子ども達も落ち着いて話を聞いていました。
(とは言え早速指を怪我する子もいましたが…汗)
一番下で4歳から受け入れていますよ!
何と幼稚園児!!
隣のテーブルでは既に掘り終わったスタンプに絵の具をつけ、刷っている子たちもいました。
ノリノリ。
今回見れたのはほんの一部でしたが、1年を通してクラスで本を作ります。
この学校ではBuchkinderは大人気だそうで、決まった定員以上の希望者が毎回いるそうです。
完成した本はどうするの?
1年のプログラムを通じて大小異なる本が完成します。
それをお家に持って帰るのかというとそれだけではありません!
Buchkinderで製本した本はなんとオンライン上で販売したり、地元の図書館に置いてもらったりと
実際に一般の人の手元に渡ります。
なお1冊あたり€15〜€30程度で購入が可能です。
こちらから購入できます。
Buchkinder Original graphic books
またライプツィヒやフランクフルトで毎年開催される本のフェアでは
実際に作った子どもたちがブースを出店し、自分たちの本を販売までするとのことです!
教室の中や家庭で完結しないのが、Buchkinderのすごいところですよね。
感想
今回なんと見学中にわたしも彫刻刀で掘ってみました。
彫刻刀なんて、小学校か中学校以来。
久しぶりに使ってみるとなかなか面白い。
そしてスタンプにするのは床に使うような廃材を業者から安くもらってくるそうです。
そういうところもドイツらしいですよね。
ちなみに授業の最初と最後に子ども達の気持ちを落ち着かせるために
ヨガや瞑想、ヒーリングとかで使う鐘?を1度鳴らし、みんなで耳を澄ませるというシーンもあり
シュタイナーやモンテッソーリ教育でも取り入れられているらしいので、これはぜひ一度試してみたいですね。
ただ版画をするだけではなく、ストーリーも合わせて考える。
子どもならではの視点や想像力をフルに活かした授業。
次回の春休みか夏休みに、わたしの働くそろばん教室でもショートバージョンで実施したいと思います!
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