韓国教育ツアー②ソウルのオルタナティブスクール「コヤン自由学校」をご紹介!

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2023年8月に韓国へ5日間の教育視察ツアーへ行ってきました!

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その第二弾として、今回はソウル郊外にあるオルタナティブスクール「コヤン自由学校」を紹介します。

韓国のオルタナティブスクール「コヤン自由学校」って?

コヤン自由学校はソウル市内から少し離れた高陽市(コヤン市)にあるオルタナティブスクールで
シュタイナー教育をベースにした小学生〜高校生までを受け入れている12年制の学校です。
2002年に創立し、いまは約100名の生徒が学んでいます。

学年ごとに名前が決まっており

  • 1〜5年生:芽生え
  • 6〜9年生:夢
  • 10〜12年生:森

と区分しているそうです。10年生以上はソウル市内の別校舎で学んでいるそうで、わたしが見学したコヤン市の校舎は主に1〜9年生が学んでいました。

コヤン自由学校は「生徒・先生・保護者」の三者で作っていく教育というものを重要視しており
行事や放課後活動なども保護者の積極的な参加が求められます。

また学校のテストはなく、基本的には外部の習い事の参加はNGというルールがあり、子ども達の学びは学校で完結する、というのが基本方針です。

韓国のオルタナティブスクール事情と日本との比較

そもそも今回紹介する「コヤン自由学校」は韓国の教育庁から認可を受けており、卒業資格もしっかりととれます。

韓国では1990年代からすでにオルタナティブスクールが生まれ、さらに公教育として組み込もうという流れがあったそうです。
その中でも一番古いのが「ガンジースクール」という学校が韓国のオルタナティブスクールの先駆けと呼ばれています。

その流れからコヤン自由学校も生まれたのだと思います。
受験戦争の激しい韓国にとって、メインストリームから外れて自由に行きてほしいという保護者や、公教育にはフィットせずに学校に通うことができなくなった子ども達の受け皿としてこれからもどんどん増えていくのではないかと思います。
参考にしたのはこちら
https://globe.asahi.com/article/12705737

オルタナティブな教育「コヤン自由学校」が具体的にどんなカリキュラムなのかご紹介

具体的にどんな学校なのか見ていきましょう。
前述した通り、コヤン自由学校はシュタイナー教育をベースにカリキュラムが組まれており(とは言え、完全なシュタイナー学校ではない)
特に低学年は芸術や感覚などを重視しているそうです。


どのクラスも8〜13名程度のクラス編成のようで、机の配置もクラスによって様々です。


印象的だったのが、各教室の黒板にとっても素敵な絵が描いてありました。
先生が単元ごとに絵を描きなおすようで、算数なら例えば分数を絵でわかりやすく説明していました。

ユキグチ
ユキグチ
絵のクオリティが高い!

7年生からは農業や木工、裁縫のような授業も入ってくるそうで、教室内に様々な道具がおいてありました。


コヤン自由学校は校舎の建物こそそんなに大きくないですが、グランドや農業スペース、森の中などとにかかく敷地が広く
外で過ごす時間も多いんだとか。
農業学校かと見違えるほど、植物や菜園がしっかりしていました。

ユキグチ
ユキグチ
花壇や菜園は保護者の方と生徒がメインでお手入れしているそう!

コヤン自由学校に通う生徒さんと話してみた

校舎見学の後に、生徒さんや保護者さんと話す時間がありました。
夏休みだというのに、10年生の生徒さん数名が来てくれました。

Q1.中学・高校にあがるタイミングで別の学校への転入も可能だそうですが、コヤン自由学校以外の学校に入りたいと思ったことはありますか?

生徒さんA:中学生になるタイミングは何も疑問も持たず当たり前だと思い、そのまま残りました。
高校生になるタイミングは本当に悩みました。
別の学校に通う友達とかも知っているので、少し憧れもありましたが先輩達が自分のことや人生について、社会課題に関して考え続け、様々なアクションに移している姿がかっこいいと思い、最終的にこの学校に残ることを決めました。
韓国の競争社会に入らなかったことに迷いもあったけど、結局はどんな人達と一緒に過ごしたいかが大事だと思っています。

Q2.基本的には外部の課外活動や習い事の参加はダメ、とのことですがもしどうしても習いたいものがあったらどうするのですか?

先生:親が「あれをしなさい!」とか「将来プロスポーツ選手になるのよ!」のように押し付けるのはダメです。
サッカーや水泳のようなスポーツやピアノやギターでより集中して練習したいと子ども本人が希望する場合は
子ども本人と親と先生3者で必ず相談し、合意の上参加できます。
ただし条件として最低でも1年は続ける必要があります。

Q3.進路に関して、将来何をしたいとか決まっていますか?

生徒さんA:わたしはまだ将来何をしたいのか決まっていません。
この学校の良いところは、テスト勉強が必要ないため自分が何を好きなのか?
何がしたいのか?を考える時間がたっぷりあります。
まだこれからたくさん悩もうと思っています。

生徒さんB:わたしは元々デザインの仕事に興味があって、実際にインターンシップに参加もしました。
インターンシップを通して、自分が思っていた仕事と少し違ったりもしたので
夏休み期間中に自分でもっと調べたり他のことにも迷ってみたいと思っています。

Q4.保護者はどの程度学校の活動に参加が必要ですか?

保護者さん:一般的な学校と比べると保護者の参加がより求められます。
だいたい月に1〜2回学校に来て、お掃除のお手伝いや植物や菜園の管理、壊れているものの修繕なんかもお手伝いします。
しかしそれは自発的に保護者のみなさんが参加していたりします。

他には、両親共働きで放課後の子どもの面倒を見れない場合も他の保護者達で協力して面倒見たりすることもあります。
とはいえ、入学前にしっかりとその点はお互い理解した上で入学しているので、大変だとはあまり感じていません。

コヤン自由学校を訪問した感想や気づき

国内外様々なオルタナティブスクールを見学しましたが、保護者さんの参加でいうとダントツで多い学校という印象でした。
しかし学校のポリシーとしても掲げているように、生徒と保護者と先生の3者で作り上げるというイメージにぴったりの学校でした。
日本ではPTA廃止なんて流れもあるので、見習うべきところもあるのではないかと思いました。

一番印象的だったのは、生徒さん達の自己理解や将来に対してしっかり考えているということが
質疑応答の際の話しぶりからとてもよく伝わってきました。
わたしの知る一般の学校に通う高校生達とは雲泥の差でした。
大人であっても自分のことをよく知らないまま、流されてここまで生きてきたっていう人もたくさんいるので
この学校の生徒さんは自己と向き合う時間がたっぷりある、というのがとても羨ましかったです。

とはいえ、韓国はまだまだ競争社会でそれに外れた生き方をしている生徒さんたちが
今後どのように社会と関わっていくのか気になるところでした。

以上、コヤン自由学校のレポートでした!

韓国教育視察ツアーレポート③はこちら

韓国教育ツアー③ 平和教育を広める団体PEACEMOMO(ピースモモ)をご紹介

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