気がつけばこのツアーがはじまって3日目。
今回は午前、午後と別の学校を訪問。
今回は午後に訪問したオランダはユトレヒトにある教員養成学校「Marnix Academie」を訪問しました。
オランダでの教員養成に興味のある方は必見です!
・オルタナティブ教育の先生に興味がある人
・現役の小学校の先生
初日の記事はこちら
【初日】オランダ イエナプラン主催の教育ツアー参加!
2日目の記事はこちら
【オランダ教育ツアー2日目】フレネ教育 ✕ 移民への挑戦
ユトレヒト・Marnix Academieの紹介
今回はデン・ハーグから約40分離れたユトレヒトに来ました。
ユトレヒトと言えばミッフィー!
ミッフィーミュージアムやミッフィーの信号を見れます。
また天気が良ければ運河沿いにたくさんのレストランやカフェがあるので、ゆっくり食事をするのもおすすめです!
(私が行った時は曇っていましたが・・・)
さて今回はユトレヒトの中央駅からさらにバスで10分ほど行った「Marnix Academie」に到着しました。
オランダでは小学校の教員養成の高等専門学校はPABOと呼ばれ、専門学校と言いつつも基本は4年制でこちらでは卒業すれば学士とみなされるようです。
そして2年間の大学院もあります。
もちろん高校を卒業して先生を目指す人はPABOに通うことになるそうですが、Marnix AcademieをはじめほとんどのPABOは定時制で現役教員向けの授業も提供しているそうです。
実際にわたしが訪問した日の夕方も、現役の先生達が体育の授業の研修を行っていました。
こちらは現役の先生も週に1回ペースで大学で研修するのが当たり前のようです。
Marnix Academieのビジョン
そもそもオランダは幼稚園に2年通った後、小学校は8年間(4〜12歳)となっています。
つまり日本で言う幼稚園の年中くらいの年齢から初等教育である小学校に入ります。
よってオランダで小学校の教員は日本で言う幼稚園児〜小学校6年生まで教えることになります。
それはかなり面白いですよね。
Marnix Academieの考える先生の必要条件として
生徒だけではなく、保護者や同僚とも関係者と連携が取れる
2.Competence(能力)
教育的な知識やスキルはもちろんのこと、クラスのマネジメントやデザインなどの能力
3.Inspired(影響)
影響が正しい訳かはわかりませんが、生徒に常にポジティブな影響を与えられるか
また教員自身も常に周りから新しくポジティブな影響を受けることができる
以上3つを定めており、この3つの条件を満たす教員を養成することがこの学校のミッションと掲げています。
それを達成するために実践している特徴として
先生も生徒もPDCAを回す
Marnix Academieでは以下の星にもあるSituation→Task→Action→Result→Reflectionの5つを在学中に学生に意識させるようです。
おそらくビジネス用語で言うPDCAサイクルと同じかと思いますが、そこにSituation(何か問題が発生)に対して解決策を
Plan(ここで言うTask/goal):学んだことをどうクラスで実践するか予定をたてる
Do(ここで言うAction):実際のクラスで使ってみる
Check(ここで言うResultとReflection):結果を見て自分で振り返る
Action(ここで言うTransfer):解決しない場合は別の解決策を考える
それにより解決に導くようです。
1.とにかく実践!実践!実践!
上記のことからもわかるように、日本のようにひたすら座学ばかりではなく
教室で学んだことは実践の場で試してみることが重要視されています。
よって日本のように最後に教育実習をするわけではなく、1年生のうちから様々な小学校で実際に先生のアシスタントとして実習の時間がたくさんあります。
なんとカリキュラムの40%が実践!
そしてMarnix Academieのすごいのはオランダ国内(ユトレヒトやハーグ以外にも)350校の小学校と提携をしているそうです。
なおオランダ国内のPrimary Schoolは約6,000校。(日本はまさかの20,000校程度!)
Reflection(内省や振り返り)を重要視
最初の星の図にもあったReflection。ここをすごく重要視しているそうで、毎週もしくは2週間に1回はメンターからのフィードバックはもちろんのこと
少人数でグループを作り、他の学生と一緒に振り返りをすることでお互いでフィードバックをし合うそうです。
もちろんこれは教員養成のためだけではなく、実際に自分が担当するクラスの子どもにも同じようにReflectionを自身でできるように指導するそうです。
これにより子どもでも責任感を持ち学習に取り組むことができます。
Reflectionの方法としてはオランダ出身の教育学者のコルトハーヘンのALACTモデルを例に教えてもらいました。
ここでは省きますが、気になる方はこちらのサイトがわかりやすいです。
コルトハーヘン先生のリフレクションに関して
つまり、起こった事象に対してどんどん自身の経験を通して内側に深掘ることで、自分の価値観や本質を知ることで問題がどこにあるかを知ること。
(違っていたらすいません笑)
以上3つの特徴としてあるようです。
学校の雰囲気や校舎は?
学校のソフト面はかなり詳しく書いたので、今度はハード面に関してご紹介します。
わたしはあまり海外の専門学校や大学に入ったことはありませんが、
印象としては規模はそこまででかくないけど、デザインがおしゃれ!
です。
例えば机がすごくおしゃれだったり
廊下に古いミシンが置いてあったり
アート専用の教室とか図書館もあります!
あとは美術の授業を担当する人のための教室
見ているだけで、こんな学校で勉強してみたいな〜と思うようなものばかり。
この学校に入るためには?
気になるのは学費や入学条件かと思います。
外国人でも入れるの?
まずはここですよね。私も入ってまず最初に聞きました。
答えは
YES
ただし語学の条件があります。
最初にも少し触れましたがMarnix Academieではフルタイム(4年制)もしくはパートタイム(定時制)両方用意されています。
ただしオランダ語の授業になってしまいます。
朗報なのが、外国人向けの英語の授業もあります。
しかし受けることのできる授業はかなり限られるようで、オランダ語のバチェラー(学士)の人の3~4年生で学ぶ副専攻のうち、Humanities そしてSpecial Educational Needsというクラスの2つのようです。
なお各3~5ヶ月のコースになります。
※細かい内容は私もよくわからないのですが・・・
良い点としては上記を取ると座学の授業はもちろんですが、この学校の目玉とも言える現地の学校での実習も含まれます。
そしてオランダの文化とオランダ語の授業もついてきます。
(もちろん実習はオランダの現地校に行くので子どもはオランダ語です笑)
もしオランダでの教員資格をほしいのであれば、まずはオランダ語をしっかりと学び4年間通うのがベストですね。
あまり関係ないかもしれませんが、もしオランダ以外のヨーロッパの大学で学んでいるのであればETCSという単位互換もでき
30ETCS credit得ることができるそうです。
この学校で勉強するためには?
オランダ語でオランダ人と同じの場合は、ホームページを読む限りは€1,030と記載されていますが
これがセメスターなのか、年間なのか、4年間なのか詳細までは書いていません・・・
(分かり次第追記します!)
そしてオランダの国籍でないと別の金額の可能性も高いので、興味のある方は連絡をしてみてください!
私のようにドイツに住んでいる場合は、ドイツの大学に入り
そこの交換留学プログラムとしてこの学校に入ることも可能です。
というか基本はEUの大学に入っていない限りはこの外国人枠として入るのは難しそうです。
よって条件としては
・EU圏の大学(Marnix Academieと提携校)の生徒であること
・2年生以上であること
・コースの内容を理解できるだけの英語のスピーキングとライティングの能力を証明できる
(具体的なスコアの明記はなし。IELTS6.0~7.0程度で問題ないはず)
ここらへんをクリアしていれば良さそうです。
なお学費はその所属している大学の学費によります。
(ドイツの大学が安いかと!)
そしてまだ何とも言えないですが、日本のいくつかの教育大学と連絡を取り合っているようなので
今後その辺りの単位互換プログラムも出てくるかもしれませんね。
詳しくはこちらご覧ください!
(英語です)
一応訪問した際に担当の方の連絡先も頂いたので、もし興味あればコメント残して頂けると
何とかお手伝いできるかもしれません。
コメントを残す