みなさんアートは好きですか?
私は好きです。
高校時代は写真部だったので、いまでも趣味で写真を撮り続けていますし
休みの日や旅行先で美術館によく行きます。
こちらの記事でも紹介しましたが、今年の夏休みはわたしの働いているそろばん教室でアート教育に挑戦しました!
もちろんそろばんの先生であるわたしが教えるわけではないですが、
各方面のプロの方々に来て頂きワークショップをすることで気づいた、アートの重要性に関してご紹介したいと思います。
最近巷で流行りのSTEAM教育
教育関係の人は既に知っていると思いますし、何となく聞いたことある方も多いかもしれませんが、最近STEAM教育というものをよく耳にします。
STEAM教育とは2013年にオバマ前大統領が演説の中でも取り上げた
今後の教育でとくに注力する必要のある
Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字を取った単語です。
ちなみに元々はAtrts(芸術)の入らないSTEM教育という単語はありましたが、後になって芸術科目の重要性が注目され、追加でAが入り現在ではSTEAMと呼ばれるようになったそうです。
日本でも2020年からプログラミング教育が必修となりましたし、科学や工学系教科の必要性はわざわざ説明しなくても良いかと思いますが
なぜ後からアート教育が追加されたのか?を考えてみたいと思います。
なぜアート教育が注目されるようになったのか?
それを説明する前にアート教育の入らないSTEM教育の問題点に関して触れたいと思います。
STEM教育(アートを除いた 科学,技術,工学のみ目指した教育)に関しては
「【教育関連】みんなにおすすめしたい本3選!」の記事でも紹介した「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書」という本で落合陽一さんも解説されていました。
一部を抜粋すると
STEM教育で育成された人材は、基本的にシステム思考に陥りがちだからです 。
つまり 、ある課題に対してどんな情報を集めどう処理するのか 、その最適解を求めロードマップを作ろうとするのです。(中略)そこから飛び抜けた発想による飛躍的なジャンプは生まれません 。
「・・・。」
「・・・。」
正直少しむずかしい・・・
私なりの解釈ですが、理系科目ばっかり鍛えていると、人は効率的で論理的に解決方法を導くけど、型にはまるがゆえに革新的なアイデアは出にくくなるよね。
ってことじゃないかなと思います。
たしかに効率的に仕事をこなすことは重要ですが、それならロボットにだってできます。
むしろロボットの方が得意。
従来のSTEM教育ではそのロボットを作ったり、システムや仕組みを作る人材は育つかもしれません。
しかし、やがては自分たちが作ったロボットやAIに仕事が奪われる時代もすぐに来てしまいます。
では5G時代に人間が求められる力って?
っていうと、そう創造力やオリジナリティ。
それこそが今のところ人間がロボットより優れている部分ですよね。
テクノロジーに仕事を奪われると言われるこれからの時代だからこそ、自分の創造力を出せる人材を育てる教育をする必要がある。
そしてその創造力を身につけるのに重要なのがアート教育ではないか、ということで注目され
STEMにArts(芸術)を加えてSTEAM教育という言葉が完成したそうです。
しかし「アートとか興味ない」とか「自分は絵心ないし・・・」
って言う人もたくさんいると思います。
ではそんな人はどうしたら良いのか?
今年の夏にわたしの働くそろばん教室でアートのワークショップを開催したので、そこで気がついたことをまとめます。
実際に子どもたちと創作活動をして気がついたこと
今回の夏休み講習ではたくさんのお子さん(3週間でのべ70人!)と写真撮ったりデザインしたりしました。
そこで改めて思うのは
子どもはみんなアーティスト。
みんな表現力や発想力も本当に自由で、大人じゃまったく思いつかないようなことの連続。
例えば写真を撮りにいけば
「帽子を投げてUFOの写真撮る!」とか
バッグのデザインすれば、「ファッションショーやりましょう!」とか。
本当に無限大。
創作活動が苦手な人なんていないんじゃないの?って思うくらい。
しかしし写真ワークショップで小学校6年生の子と話していたときのこと。
しかし
とくに日本人の子どもで小学校中学年以上になるとそういう子がどんどん増えてきて、
「きれいなものを作らないといけない」とか「テーマに合わないものはダメ」
とまじめすぎるが故に完全に固まってしまう子もいます。
せっかくの機会なのにもったいない・・・
いかに美しく描けるかが基準の日本のアート教育
幼稚園児くらいのときはみんな後先考えず、自由に創作活動していたはずなのに、一体いつから変わってしまうんだろう。
そんなときに思い出したのが海外の美大に挑戦した友人の記事。
海外と日本の美大受験の大きな違い。
一部抜粋します。
ぼくが求められていると思っていたものと、大学が実際に求めているものが全然違っていたんです。(中略)当時日本で通っていた学校でも、形をしっかり描けることを見せるのが何より大切だと何度も言われていました。
しかしそれは間違っていました。(中略)
メインで伝えるべきなのは技術ではなく個性なのです
↑生き方がかなりファンキーなので、アート興味ない人も楽しめます。必読!
つまり
日本の美大:どれだけ技術があるかを重視
海外の美大:技術は大事だけど、それよりオリジナリティの方が重視
ということらしいです。
(もちろん海外の美大も技術は必要だと思いますが)
この記事を見てわたしが感じたのは
海外の方がすごく本質的で、あまりオリジナリティを出さない日本人にはハードルが高い。
そして日本はとにかく技術とか見た目のきれいさを気にしすぎるが故に「きれいに描けない=絵が苦手」となってしまいがち。
この考えが子ども達の自由な創造力を邪魔する原因なのではないか。ということ。
日本で今後アート教育に力を入れていくのであれば、ただ単にきれいにデッサンができるとか
しっかりとこの構図で写真が撮れている、とかいう技術的なことだけではなく
「オリジナリティ」とか「創造性」とか「ユニークさ」とかを育てる授業、そしてそれを評価する仕組みでなければ
STEAM教育で言う本当の意味でのArtsではなくなってしまうのでは、と思います。
鑑賞することの重要性
さらに先程ご紹介した本で落合さんはアートの鑑賞力の重要性に関しても述べていたので、少し紹介。
ア ート教育ではその実装のみならず 、鑑賞力を身につけることが必要になります 。鑑賞力を高めることは同時に 、観察力を高めることにもなります 。
たしかに作るだけではなく、美術館とかで良い作品を見ることも重要。
これは私個人の話ですが、小さい頃に親に連れられて美術館に行っていました。
正直その頃は「つまんないな〜」としか思っていませんでしたが、今考えると実はすごく重要だったんじゃないかと思っています。
今でこそ写真を撮ったり、仕事でポスターのデザインとかしますが
構図や配色って別にどこで習ったわけではないけど「何となくこういう方がいいな〜」っていう基準が自分の中にあって
この「何となくいいな〜」っていうのはインプットの量が多い(良い作品をたくさん見た)からこそ自然と出てくるものなのかもしれない。
ちなみにiPhoneを世に出したスティーブ・ジョブズも大学生時代にカリグラフィー(西洋書道)の講義に出ていたことがきっかけで
アップルの製品には美しいフォントをたくさん取り入れられたそうです。
ちなみに、落合さんは鑑賞しそれを自分なりに解釈し論理的に説明する。
ことの重要性も述べていますが、今回は省略して別の機会に。
まとめ
色々とダラダラと書いてしまいましたが、結局何が言いたいかというと
・アート教育はこれからの時代プログラミング教育とかと同じくらい重要!
・日本の従来型の「技術重視」のアート教育では創造力は育たないのでは!?
・創ることも大事だけど鑑賞(インプット)もアート教育の一部
ちなみに、直感教育を重視しているシュタイナー教育やモンテッソーリは
昔っからアート教育をすごく重視しているので、おそらく「今さらそんなことに気がついたの!?」って思っているんではないでしょうか。
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