前回の記事で「そろばんが得意な子の特徴」をご紹介しました。
その中で数の感覚をしっかりと持っている子は、そろばんの習得や理解が早いと記載したのですが
今回はもう少し詳しく書いてみようかなと思います。
いま3~5歳のお子さんを持つ方や、これからそろばんをはじめようと考えている方はぜひご覧ください!
【おさらい】そろばんが得意な子の共通点とは?
前回の記事でも紹介した通り、わたしがそろばんの先生として4~7歳くらいのお子さんを日々見ている中で
明らかにそろばんの習得がはやい子ども達がいることに気が付きました。
そんな学習スピードがはやい子ども達の共通点をまとめると
- 数の感覚をしっかりと持っている
- コツコツとした単純作業が得意
- 集中モードに入るのが得意
という大きく3つの特徴があることがわかりました。
②のコツコツと単純作業が得意かどうかは、かなり性格によってきまいます。
しかし、①の数の感覚を持っているかどうかは、3~5歳の小学校に入る前にどんな遊びをしてきたかで大きく左右されるようです。
ということでもう少し詳しく数の感覚を持っているというのはどういうことなのか?をご紹介します。
そろばんをはじめる前につけておきたい!数の感覚とは?
そう思う方も多いかもしれませんが、決してそういうことではなく
もっと根本的な部分。
大人になってしまうと何気なくできていることでも、5歳前後の子どもからすると難しいことばかり。
今回はとくにそろばんをする上でつけておきたい3つのポイントをご紹介します!
そろばんに限らず、今後小学校で算数を習う上でもかなり役に立つ知識かなと思いますので
3~5歳程度のお子さんがいらっしゃる方は是非チェックしてみてください。
ポイント1:数字をかたまりとして捉えることができるか
例えば目の前にドーナッツが6個並んでいます。
この6個のドーナッツを見て瞬時に「6個!」って言えるでしょうか?
4~5歳くらいのお子さんだと意外とこれが瞬時に出てきません。
「1個,2個,3個・・・」って数えないと6個だとわからないことがあります。
数字をかたまりとして捉えるというのは、2や5のかたまりで数えることができるかを言います。
例えば、今回のドーナッツの場合、
2のかたまりとして捉えることができれば2のかたまりが3つで6個でも良いですし
5のかたまりがわかれば5のかたまり1つとあまり1つで6個と出してもokです。
2のかたまりとして捉えるっていうと少し難しく聞こえますが、要は「2(に),4(し),6(ろ),8(や),10(とお)・・・」と2とびで数えることができればokです。
5のかたまりも「5(ご)、10(じゅう)、15(じゅうご)、20(にじゅう)・・・」と数えることで自然と身につきます。
このかたまりの概念がわかるお子さんとわからないお子さんでは、そろばんの習得スピードに大きく差が出ます。
なぜならそろばんは「5珠」と呼ばれる珠のある特殊な計算機。
5珠1つと1珠2つだから7!とすぐに言えることが重要ですので
これからそろばんをはじようと考えているお父さん・お母さんはチェックしてみてください。
数をかたまりで捉える練習方法
2とびや5とびで数える練習方法ですが
紙に書いて練習したり、教材を使うこともできますが
できれば具体物を使って、ゲーム感覚でできると良いですよね。
おすすめは、家族みんなでトランプでババ抜きや何かゲームをするときにお子さんにカードを配ってもらいましょう。
ここでポイントなのが、2枚ずつ配っていくこと。
2枚ずつ、2枚~4枚~6枚~と言いながら数えていくと自然と身につきますし
なにより何か役割を与えられると子どもは喜ぶので、おすすめです。
配り終えたら、「1人何枚もらえたかな?」と2とびや5とびで数えると更にコミュニケーションが増えて良いですね。
ポイント2:1~9までのたし算,ひき算ができるか
ポイント2つ目は1~9までの簡単なたし算ひき算がわかるか。
例えば「2+3=5」や「7-4=3」程度の計算を指で数えられるかどうかになります。
なぜこの簡単なたし算ひき算が必要なのかと言うと、そろばんをはじめて最初の関門「5の合成分解」があります。
合成分解って聞き慣れないかもしれませんが
つまりは5の珠を使った たし算やひき算のことを言います。
ここで「2+3=5」や「7-4=3」程度の計算がスラスラできない子は
手を使って数えて・・・そしてそろばんを動かして・・・
と、なかなか時間がかかってしまい段々とそろばんが嫌になってしまう傾向にあるようです。
なお小学校に入れば自然と身につくので、ここでつまづくことはないのですが幼稚園児(4~6歳)にはよくあるようです。
よって、繰り上がりもない簡単なたし算ひき算がスラスラと言えるような練習はしておくことがおすすめです。
1~9までの簡単なたし算ひき算の練習法
こちらも具体物を使うのがおすすめです。
ご家庭にあるえんぴつや消しゴムはもちろんのこと
普段おやつで食べているお菓子やフルーツを使うこともできます。
7こあったお菓子を3つ食べるといくつになるかな?
などちょっとした会話に入れるのも良いですね。
あとは、手っ取り早くアプリもおすすめです。
こちらの「かずあそび」というアプリはなかなか子ども達に人気でした。
ポイント3:10になる組み合わせを理解しているか
3つめのポイントは「1と9」や「2と8」、「3と7」・・・など合計が10になる組み合わせがわかっているか。
これは10の繰り上がり,繰り下がりを学ぶときに必ず知っておきたい知識です。
そろばんでも10の繰り上がりや繰り下がりのときに必ず10になる組み合わせを考えます。
小学校でもさくらんぼ計算を習いますし、
そろばんでも10の繰り上がり,繰り下がりのタイミングでこの10になる組み合わせを覚えているかどうかで理解も大きく変わってきます。
10になる組み合わせを理解する練習法
これは5パターンを覚えるだけなので、そこまで難しくないですね。
わたしが普段子ども達と練習する際は、トランプで1~9までのカードだけ揃えておき
ランダムに出てくるカードの組み合わせを答えるゲームをしています。
ジョーカーを中に混ぜておいて、ジョーカーが出た時は動物の真似をしたり、ベルを鳴らしたり色々とルールを増やすと盛り上がります。
さらに、わたしがそろばん教室で使っているのがNumiconという知育玩具です。
カラフルなプラスチック製のプレートに穴が空いていて、穴の数で数字を表しています。
このプレートを組み合わせることでパズルを解くように10の組み合わせを学ぶことができます。
さらには、支柱のようなパーツを組み合わせると、積み木のように上に積み上げていくことができます。
シンプルなデザインがゆえに使い方は様々ですが、10の組み合わせ以外にもかなり多岐に渡って利用できます。
わたしはこのNumicon、ドイツのインターナショナルスクールで利用しているのを見かけて知りました。
ヨーロッパの学校ではレッスン内で使っている学校もあるようです。
※説明書は基本英語なのでご注意ください!
まとめ
ということで今回は3~5歳のお子さんがそろばんをはじめる前につけておきたい3つの数の感覚をご紹介しました。
意外と見落としがちですが、こういった基本的なことがあるかないかで
算数に対する理解度も大きく変わってきます。
算数に対する理解度が低いお子さんは算数=難しいものとして理解してしまい
それを大人になるまで引きずってしまうこともあるので、なるべく小学校に入る前に
今回ご紹介した数の感覚を身に着けておくと良いかなと思います!
練習するときに気をつけて頂きたいこと2点。
・なるべく具体物を使うこと
まだ3~5歳程度のお子さんに計算ドリルをたくさん与えるより
自分で触って、イメージすることがとても重要になってきますので
おはじきでも、えんぴつでも身の回りにあるものをどんどん活用しましょう!
・生活の中で積極的に取り入れること
小学校3~4年生くらいまでは、机に向かって勉強することより
遊ぶことにたくさん時間を使った方が良いという研究結果はたくさん出ています。
家族でボードゲームをする、お買い物で少し計算してみる、お料理を一緒にする etc…
たくさん生活の中で会話を通して数の感覚を身につけるようにしましょう。
ということで今回ご紹介した内容、練習方法がだれかのお役にたてれば幸いです!
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