韓国教育ツアー③ 平和教育を広める団体PEACEMOMO(ピースモモ)をご紹介

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その第三弾として、今回はソウル市内にある平和教育のカリキュラムの開発や指導員のトレーニングなどを提供しているPEACEMOMO(ピースモモ)をご紹介します。

PEACEMOMOってどんな団体?

PEACEMOMOは韓国のソウル市を拠点にしており、平和教育のカリキュラムやワークショップを通して様々な人へ平和に関して考えるきっかけを用意したり
PEACEMOMOの活動や平和教育を広めるための指導員の育成等をしています。

ワークショップは学校の先生や教育に携わる大人はもちろん、若者、その他に興味のある人どんな人でも参加できるように用意されており
日本の大学に招待され、日本人向けに実施したりもしているようです。

基本原則として、PEACE (平和) MOMO(韓国語でみんながみんなから学び合うという意味らしい)参加しているみんなが主役で上下関係なく平等にコミュニケーションが取れるように参加者に伝えています。

参加するときの3つのルール

後述しますが、最初は平和教育と聞くとわたしは

ユキグチ
ユキグチ
平和教育?反戦や貧困問題とか考えるのかなあ?

とあまりピンと来ていなかったのですが、参加してわかったのですが笑いあり涙ありのとっても心温まるワークショップで
控えめに言っても、超絶おすすめです!

実際にワークショップに参加してみた

そんなに大絶賛のワークショップですが、一部ご紹介します。
大きくわけて3つのワークをしました。

自分の気持ちを表現する

最初に参加者みんなで輪になって座りました。
今回ファシリテートしてくれたMEACEMOMOのヨンチョルさんの優しい声に包まれながら進んで行きます。

まずは目の前に並べられたカラフルなカード。英語で様々な気持ちを表す単語が書いてあります。

例えばfree(自由な)やsafe(安全な),lonely(さびしい)など様々です。
その中からいまの自分に合ったカードを1枚選びます。

わたしはwarm(暖かい)を選びました

さらに、それを部屋の中を歩き回り、いまの気分にあった場所におきます。

一旦はここで終わり。
他のワークをしてから最後に「なぜその単語を選んだのか?なぜその場所においたのか?」をみんなでシェアします。

このワークの目的:いまの自分の気持ちと向き合い、言葉にする

ユキグチ
ユキグチ
日本ではなかなか自分の気持ちを考えシェアすることがないので、新鮮な体験!

招待ゲーム

次にみんなで輪になって座っているところに1つ椅子を追加します。
10人座っているところに11個の椅子があるので、1つ空席があります。

その空席の左右両隣の人達は立ち上がり、その空席を埋めるためにだれかを選び手を取って空席まで連れていきます。

すると、連れていかれた人の席が今度は空席になります。
今度はその新しくできた空席の両隣の人が、だれかを選び手を取って空席まで連れていく・・・

といったワークです。
このワーク中は基本お互いの会話は禁止。相談もできません。

制限時間があり、1ラウンド目は選ばれた人もいれば、選ばれなかった人もいます。
参加者はドキドキして待つのですが、このワークのすごいところは2ラウンド目にあります。

2ラウンド目は制限時間内に必ず全員が選ばれるようにすること。

すると、1ラウンド目とは打って変わってみんな小走りで「この人もう選ばれたかな?」「まだ選ばれてない人はだれだろう?」と
参加者全員の顔を見渡し、お互いアイコンタクトを取ります。

このワークの目的:人に選んでもらう、という体験をする

ヨンチョルさんいわく、人に選ばれるという体験はとっても心を暖かくします。
その体験をみんな平等にするためのワークでした。

マリオネットゲーム

最後はマリオネットゲーム。マリオネットとは操り人形のこと。

まずはペアを組んで、一人(操る役)は手を相手(マリオネット役)のおでこにかざします。
操る役の手とマリオネット役の人のおでこの間には見えない鉄の糸があると仮定します。

スタートの合図で、操る役は好きに動きます。マリオネット役はその手に必ずついて行かなければなりません。

交代でマリオネット役をやり、お互いの感想を言い合います。

次に操る役の人は1人、その人の両手にマリオネットが1人ずつ続きます。
さらにそのマリオネット役の2人の両手にもマリオネットが続き・・・
といったようにどんどん連鎖して、大きな塊を作ります。

2番目や3番目のマリオネット役は操られつつ、操る必要があります。

1番最初の操る役の人が少しでも動くと全体が動きます。
わずかに動いただけでも、末端の人は大きく動かなければいけないこともあります。

急に操る役の人が大転換すると、末端の人達は追いつけず危うく事故になるほどでした。

そこで役を解いてヨンチョルさんはみんなに問います。

ヨンチョルさん
ヨンチョルさん
いまのワークでは転びそうになるくらい危ないシーンがいくつもありました。さてこうなったのは誰のせいでしょうか?

そこで参加者同士で犯人探しがはじまります。

「自分を直接操っていた人?」

「間接的だけど、中心で操っていた人?」

「ぶつかりそうになった隣の人?」

「いやいや、そもそもこのワークを言い始めたヨンチョルさんじゃない?」

もちろん正解はありません。

大きな組織になると、1つ事故が起こると犯人探しがはじまり誰が責任を取るのか議論がはじまります。
でも実際にやってみるとわかりますが、この人だけが悪い!なんてことはありません。

このワークの目的:団体の中で問題が起きたときに構造的に見て理解する練習

このワークでは、お互いどう思ったか?だれが悪いのか?なぜそう思ったのか?
これを実生活で当てはめるとどうなるか?
など考える機会もたくさんあり、その度に参加者同士で考えました。

やりっぱなしではなく、お互い話し合うことで理解が深まったり新たな見方が生まれる経験ができました。

例えば、会社で新人が大きなミスをし大きな損害が出ました。

これはミスした新人のせい?
その上司がしっかりと指導しなかったせい?
そもそも社長が会社を大きく方向転換したせいで末端が付いてこれなかったせい?

そもそも犯人探しをするのがナンセンス?

色々な考えをすることができますね。
そんなことに気がつくことができました。

PEACEMOMOのワークに参加しての気づき

そもそも平和教育って「戦争はダメ!」とか「貧困問題はどのように解決したら良いのか?」みたいなマクロなことを考えるのかと思っていました。
しかしPEACEMOMOのワークに参加してわかったのは

平和とは、身近な人との関係性を大事にすること

なのだと感じました。
身近な人との平和が連鎖することで世界も平和になるのだと思います。

なかなか考える機会のないことを体験を通して考えるきっかけになり、とっても素敵な時間でした。
もしこれを読んでいる方も、ぜひPEACEMOMOのワークショップをおすすめします。

全く同じワークでも、参加者が違えば別の体験になり、新たな意見が出てくるそうです。
なのでまた参加してみたいですし、もし機会があれば自分でも同じようなワークを身近な人達とやってみたいなあと考えました。

PEACEMOMOをもっとよく知りたい方はこちら

PEACEMOMO公式HP:https://peacemomo.org/

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