Youtubeやスタディサプリで知識のインプットができる今先生が必要なスキルはたくさんの知識を教え込むティーチングではなく、それらを活用してより効率的に目標達成まで導くコーチングではないでしょうか。
今回はティーチングとコーチングの違いから、具体的なコーチングの方法までご紹介します!
・授業にコーチングを取り入れたい人
・コーチングに興味のある人
今後の先生のあり方はティーチング→コーチング!?
現在学校や塾、その他習い事で先生をしている方に質問です。
いまどのような授業をしていますか?
「20〜30人をまとめて教えている」
「1対1で勉強を見ている」
「オンラインで授業をしている」
等々色々とあるかと思います。
いわゆる講義形式で知識を教えるタイプの授業をティーチング(Teaching)と言います。
私も大学までは講義形式の授業を受け、いまそろばんの先生という立場でもティーチングをしています。
しかし、果たしてテクノロジーが発達し、AIやロボットが発達した5年、10年後も今までと同じような授業はできるのでしょうか?
ティーチングが必要無くなる時代はすぐそこまで来ている
みなさんスタディサプリってご存知ですか?
スマホひとつで、有名塾講師が中学・高校の授業から社会人向けを教えてくれるサービスです。
既に使っている、何となく名前は知っているという方も多いのではないかと思います。
スタディサプリだけでなく、Youtubeでも無料で話上手な先生が面白いコンテンツをたっくさん出しています。
スタディサプリやYoutubeがあれば、正直学校の授業って聞く必要ないって思う学生さんは最近とても増えていますし、さらに今後増えてくるでしょう。
つまり従来通りの知識を教えるティーチングメインの授業は今後どんどんEラーニングに取って変わるでしょう。
もしかしたらAIを搭載した人形ロボットが学校で授業をする日も近いかもしれません。
では先生という存在自体必要なくなってしまうのしょうか?
先生の役割はAIやロボットができない部分のサポート
知識のつめこみ、つまりティーチングしかできない先生は正直必要ないと思います。
しかしAIやロボットができない部分のサポートは生身の人間である先生にしかできません。
例えば、生徒が躓いている時に話を聞き精神的なサポートをすること、
大学受験に向かって一緒にがんばろう!と生徒を鼓舞することは人間にしかできない部分でしょう。
つまり知識を教えるティーチングはロボットやAIに任せてしまい、今後の先生の役割はクラスのファシリテーションや生徒1人1人の個人のコーチングをしていくことがメインになっていくと言えます。
ファシリテーションは複数の生徒がいる中で学習者の学びを促進すること。
コーチングは1対1で個人学習者の学びをサポートすること。
今回は特にコーチングをメインにご紹介します。
そもそもコーチングとは?ティーチングとの違いとは?
新しい知識や情報を教え込むことをティーチングと呼びますが
一方でコーチングは学習者個人の中にあるもの(知識やアイデア)を引き出し、整理整頓してあげることを言います。
ティーチングは構造上に学習者が受け身になりがちですが、コーチングの場合は学習者が主体的に学ぶお手伝いをします。
いわゆるアクティブラーニング(Active Learning)を促すための1つの手段と言えるでしょう。
ティーチングとコーチングの違い
それでもイメージしずらいかと思うので具体例を見てみましょう。
ティーチングの場合
と学習者が持つ問題や課題に対して答えを渡すのがティーチング。
コーチングの場合
学生にすぐに答えを渡すのではなく、次々と質問をし、まずは課題や目標を設定し一番有効な学び方を見つけるお手伝いをします。
学習者はYoutubeを使って学ぶかもしれませんし、洋画を見てネイティブの使い方を学ぶかもしれません。
最終的にどうやって学ぶかは学習者に委ねられます。
質問をしていく上で、もしかすると「関係代名詞の前にそもそも英語の文章構造を理解していないかも?」とか「語彙力が問題なのかも?」
と学習者が気づくこともあります。
するとより主体的で深い学びに繋げることができるのはコーチングのメリットとも言えるでしょう。
コーチングはあくまで相手の中から引き出すのに対し、
コンサルティングは目標設定から相手から引き出すところは同じですが、具体的な改善案を提案までをします。
コーチングとティーチングを合わせたのがコンサルティングに近いでしょう。
コーチングを実践してみよう
何となくコーチングがどういうものか、どういったメリットがあるのかご理解頂けたかと思います。
では具体的にコーチングがどういったものかもっと具体的に見てみましょう。
コーチングも色々な手法がありますが、今回はこちらの「決定版 リモート即対応!コーチングの「基本」が身につく本」を参考にGrowモデルをご紹介します。
Growモデルの流れ・ポイント
Growモデルはコーチングの典型的な進め方で、質問を通して相手に考えさせ、相手の中から答えを引き出していく手法です。
-
- Goal:目標の明確化
- Reality:現実把握
- Resource:資源の発見
- Options:選択肢の創造
- Will:目標達成の意思
この頭文字を取ってGROWモデル(Rは2つありますが、1つにまとめます)と呼ばれます。
「ダイエットしたい」という人を例に取ってみましょう。
①目標の明確化
まずは相手に目標を立ててもらいます。
「体重が減ればいいの?」「それとも見た目を変えたいの?」とまずは目標を具体的にしていきましょう。
よくよく話を聞くと「夏までにビキニを着れるように見た目を変えたい」という目標になりました。
その時にいくつかの課題が出てきた場合は、優先順位もつけてもらいましょう。
さらに「夏っていうけど、具体的にいつまで?」と日程も決められると良いです。
②現状の把握
「8月のお盆までに-3cmってあるけど、いまは?」「何がダイエットを阻害しているのかな?」
と現状を認識してもらいます。
例えば
- ついついおやつにチョコレートを食べてしまう
- 姿勢が悪い
- 仕事で残業が多く、夕食も遅い
等々相手が考えられるだけ出してもらいます。
色々な角度で質問をすることで、相手も新たな発見を見つけられたら大成功です!
③目標達成のために資源の発見
次は目標達成するためにどんな方法が取れるのか?も考えてもらいます。
人,物,金,時間,情報等が資源に入ります。
Youtubeでトレーニング動画を見る(情報)、外食をやめて自炊に切り替える(物)、友達もダイエットしたいと思っている(人) etc…たくさん出てくるでしょう。
時間も大事な資源です。「いつ時間が取れるのか?」も併せて考えてもらいましょう
等々いつ時間があるのかも質問してみましょう。
④選択肢の創造
③で出した資源の中から、とくに有効だと思うものを3つ挙げてもらいましょう。
・スポーツジムの会員なので、水曜日仕事が終わったらジムに行く
・ダイエットしたい友達と進捗を報告し合う
・最低3日は自炊をして食事をヘルシーなものにする
等々出てくるでしょう。
⑤目標達成の意思
前述した通り、コーチングでは学習者が主体です。
最終的に実行に移すのはコーチングを受けている人なので、本気度を確認しましょう。
そこで一番良いのが
まずはどこから手をつける?
という質問をすることで、相手に一番最初の一歩を踏み出すことをイメージしてもらいます。
最初のステップをイメージ→行動まで持っていければバッチリです!
とくに、コーチする人は何か具体的な手法を教えたりしません。
あくまでコーチングを受けている人の中にある数多くの資源やアイデアを質問を通して上手く引き出し、整理整頓してあげるだけです。
とにかく場数を踏むのが大事
と大体の流れは掴んで頂けたかと思います。
実際わたしもコーチングに関するセミナーを受け、その中でロールプレイングしてみましたが理屈はわかっていてもなかなか上手くいかない・・・!(泣)
しかしコーチングに限らず理解していることと、実際にできることは全く別です。
結局何度も繰り返し、自然とできるまで場数を踏むしかないんだそうです!
わたしもまだまだ練習の途中ですが、上手くいかないことは承知の上何度も繰り返しチャレンジしようかと思います。
もっとよく知りたい場合は・・・おすすめのコーチングに関する書籍
コーチングもっと学びたい!
という方は各種セミナー(単発のものから数回に渡る長期のものもあります)に参加するのもおすすめです。
長期のものは30,000円〜100,000円とけっこうお金がかかるものも多いですが、勧誘目的のものもあるためよく見極めましょう。
個人的にはまずは書籍で基礎を学び、実践してみてから高額のセミナー等は検討するほうが良いかなと思います。
わたしも読んだ、今回ご紹介したGrowモデルに関するコーチングの書籍はこちらの「図解決定版 リモート即対応!コーチングの「基本」が身につく本」がわかりやすかったです。
また、こちらの「新 コーチングが人を活かす」もさらっと読めるのでおすすめです。
コーチングとは若干違いますが、先生にはぜひ読んで頂きたい書籍として「教えない授業のはじめ方」もおすすめです。
まとめ
ということで今回はティーチングとコーチングの違いや、具体的なコーチングの方法をご紹介しました。
繰り返しになりますが、AIやテクノロジーが発達しているこの時代に先生のあり方も変わって行かなければいけません。
従来型のティーチング形式の授業はすぐにスタディサプリやYoutubeに取って代わられてしまいます。
そんな時代に先生の役割はコーチングやファシリテーションを通して、学習者が主体的に学べるサポートすることかなと思います。
わたしもまだまだコーチングができるとは言えない状況ですが、まずは場数をたくさん踏んで自然とできるようになれると良いですね。
クラスに10人以上の大人数の生徒がいる教室ではなかなかコーチングは中々難しいかもしれませんが、3~5人程度であれば複数人を同時にコーチングすることもできるかと思うので、自分でも試行錯誤したいところです。
なお、学校単位でコーチングを取り入れている例としてオランダで人気のイエナプラン教育や全世界で大人気になってきているミネルバ大学等は講師がティーチングではなく、ファシリーテーターでありコーチングも実践していることで有名です。
今度はファシリテーションに関してご紹介したいと思います!
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